第2回 ユーザー目線のWebサイト構築法 まとめ

キゴウラボ・小山さんからご紹介いただいたセミナー
「ユーザー目線のWebサイト構築法」へ参加してきました。

第2回 ユーザー目線のWebサイト構築法

~視覚障害者とシニア層のユーザーテスト事例紹介~

http://www.creativevillage.ne.jp/pec/seminar_forum/detail?id=1066

講師:NPO法人 ハーモニー・アイ 馬場寿実さん
http://www.harmony-i.org/

Webディレクションにおいてユーザビリティ・アクセシビリティ云々というのは、
表現や企画などとはまた別の、Web戦略のごくベーシックなところで
配慮しておく必要がある部分です。

直接的に状況が該当する仕事がいま動いているわけでもないのですが、
見識として知っておくことは有用だろうと思い参加させていただきました。

の、ですが、正直なところ、事前に予想していた以上に
興味深い内容&オンライン上に記録されてしかるべき内容だと
思いますので以下にまとめておきます。

明日、感想を別エントリーにしておこうかとも思っています。

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●第2回 ユーザー目線のWebサイト構築法
 視覚障害者とシニア層のユーザーテスト事例紹介

 講師:NPO法人 ハーモニー・アイ 馬場寿実さん
 http://www.harmony-i.org/

■視覚障害者向け・音声webブラウズ環境
・IBM ホームページリーダー→開発終了

・高知システム ネットリーダーがWindows Vistaに対応。
 http://www.aok-net.com/

◎藤沢市=1606自治体調査中、ユーザビリティ部門で1位(総合2位)
 藤沢市webサイトを事例にユーザーテストを実施

 参考:日経BP調べe都市ランキング
 http://pc.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070703/276536/

■市区町村のアクセシビリティ対応の普及度
 代替テキスト(Alt)を適切に設定している 50.8%
 アクセシビリティに関する対策ガイドラインを設定している 26.6%
 ユーザーテストを実施している 9.2%

 自治体サイトなど、大規模なサイトの場合、
 サイト全体に対してユーザーテストを行うことはナンセンス
 コンテンツ3種ほどにしぼって調査を実施。

■テストコンテンツ
 「布団を大型ゴミとして処分したい」という状況をテーマとして
 (1)藤沢市トップページから、ゴミについてのページを探す
 (2)探したゴミのページから、布団の捨て方を確認する
 (3)廃棄のインターネット予約をする

 上記テーマに沿って行った
 ユーザーテストの様子をスクリーンで放映。

【被験者】
・視覚障害者 3名 20代 1名(パソコンスキル上級)
          50代 2名(パソコンスキル中級)
・高齢者   3名(70歳、パソコンスキル中級2名・上級1名)

【ユーザーの平均的なページ遷移】
1 ごみ・リサイクル

http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/directory2_00026.shtml


2 資源とごみの分け方出し方

http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/directory_00150.shtml

3 大型ごみ・特別大型ごみの分類と出し方

http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100003.shtml

4 品目表トップページ

http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100017.shtml

【結果】

「廃棄のインターネット予約をする」の工程までは、
どのユーザーもタスクを完了できなかった。

ヒントを与え進めた結果、到達できたのは

音声ブラウザ使用 視覚障害者 20代(パソコンスキル上級)

1名のみだった。

■以後、ユーザーテストからわかった、
 アクセシビリティ・ユーザビリティの問題点をレジュメに沿って説明。

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以下、レジュメ内容趣旨まとめ

・ヘッダー先頭の記述=音声ブラウザでは最初に読み上げられるワード。
 はじめに、「なんのサイトか」を読み上げるのが好ましい。
(音声ユーザーからすると、目的としたサイトに辿りつけたのかどうか
 わかりにくく、閲覧に不安をあおってしまう。)
 ※高知システム「ネットリーダー」は、
  ソフトウェアの初期設定で、
  ページタイトルが読まれない設定となっています。

・alt属性は、その画像が持つ「役割」を明示できるよう、確実に設定すべき。

・不用意な下線は、リンクテキストと誤解されやすい。

<高齢者のweb使用の特徴>
 ・目に見えるところをあちこちクリックしたがる傾向がある。
 ・検索に文章そのもの(自然言語の疑問文など)を入れてしまうことが多い。

<視覚障害者の特徴>
 ・プルダウンメニューはそもそも操作がしづらい。
 ・表組みが判断しづらい。

  ※編者注
  たてつづけに出てくる音声のうちから
  該当するひとつを選ばないといけないので、
  選択項目への到達までに時間もかかり、
  判断がつきづらくなるようだ。
  ディレクション上では
  プルダウン・表組みともに
  わかりやすさ担保のために導入するものと思っていたが
  視覚に頼った表示方法であることを
  あらためて気づかされた。


・余計な情報があると、それらすべてを読み上げていってしまうため
 音声ユーザーにとっては負担が大きい。
 情報全体に一貫した「流れ」がある方が、
 音声ユーザーには理解されやすい。

  ex.
  http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/directory2_00026.shtml
  の広告などは、メニュー項目との区別がつきづらく、
  音声ブラウザの場合、視覚での情報種類の差別化が行われないため、
  そもそも広告であること自体に気づかない可能性もある。

  ※編者注
  当然なのだが、音声ユーザーにとって
  インターネットはすべて音声コンテンツであり
  時間の概念を持つメディアである。
  たとえば

  「DVDのメニュー画面から
   目をつむった状態で、
   目的の項目を探して再生するのはむずかしい」

  というのと同じ理屈があるのか。
  (視覚以外の「手がかり」がないと判断のしようがない。)

・長く伸びる紙ベースの説明文章は、webでは理解しづらい。
 直感的にわかりやすいポイント的な表現が望ましい。


 ※編者注
 最後のフィニッシュのところで、
 http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100003.shtml
 書面体を取ってしまっているところが
 わかりづらい、という話。
 このサイト自体、全体設計としては
 かなり丁寧にインデックス構造を意識して
 つくられてある方だとは本当によくわかるのだが
 ……手は抜けないというか。
 (ちっとも手抜いてなんかいないのだろうが。)


・パンくずリストは音声ユーザーにはかなり活用される手がかり。
 急な階層位置の移動は、それまで辿ってきたルートを見失い
 混乱を招く可能性がある。

  [参考]
  品目表トップ
  http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100017.shtml
  ↓
  品目名さくいん「は」行
  http://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/kankyo-j/page100024.shtml


 ※編者注
 これは結構むずかしい問題だよなぁ…。
 この階層構造の問題回収を徹底しようとすると
 トップからのディレクトリ距離は
 3層・4層とかなり深くへ進んでいってしまう。
 あるいはトップ以外のすべての情報を
 PHPかなにかで随時吐き出させるか…となってくると
 もうそれは改善じゃなくて別サイト。
 いや、別のサイトというか別のシステム。


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<後半>

■視覚障害者モニターのユーザーテスト公開デモ
モニターの方は後天的な視覚障害者で、
以前は普通に目が見えていたが、
病気のため50代入ってから視覚を失ってしまったという。
点字を覚えようと努力したが、なかなか覚えることそのものができず
インターネットは社会の情報を得るための重要な手段となっている。


  ※編者注
  能力や慣れの問題から点字を覚えられない、
  だからネットが重要だ、というのは
  非常にリアリティを感じる話だった。
  便利とか簡単とかいった価値観の話でなく
  やむを得ずインターネットを利用するより他ない人というのも
  それはいるのだろう。

実演。
目視なし、すべて音声に沿ってオペレーションするため
見出しと説明・本文と広告といった
テキストに付随するメタレベルな属性を判断することが
難しいようだった。
テキスト情報を文字通りに受け取り、
サイト運営者が本来意図した導線と
まったく違う方角へ進んでしまうことがある。

■音声ブラウザについて
・高知システム ネットリーダー
 http://www.aok-net.com/

 IBMホームページビルダーの開発終了に伴い
 今後、普及していくと見られている。
 AJAXやFLASHも読み上げることができるらしい。
 PDFやFLASHも読み上げる。(AJAXは未対応とのこと。)

 音声ユーザーのWeb利用シーンは、
 音声ブラウザの基本設定に大きく影響される。
 しかし、日本のこれらWeb閲覧補助ツールは
 海外に比べて立ち遅れているのが現状だという。

■ハーモニーアイでは、
 春頃「だれもが使えるウェブ推奨マーク」を発行開始予定。
 http://www.harmony-i.org/

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来週はこれらあがった問題点の改善策を考えます。

第3回 ユーザー目線のWebサイト構築法

~改善テクニック編 ユーザーテストで判明した課題を解決する~

http://www.creativevillage.ne.jp/pec/seminar_forum/detail?id=1067

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<08.03.14>

※記事内容についてハーモニーアイ馬場様・キゴウラボ小山様より
  ご指摘いただきました。

<日経BP調べ・統計について>
■市区町村のユーザビリティアクセシビリティ対応の普及度
 代替テキスト(Alt)を適切に設定している 50.8%
 ユーザビリティアクセシビリティに関する対策ガイドラインを設定している 26.6%
 ユーザーテストを実施している 9.2%

<高知システム>
■ネットリーダーはAJAXやFLASHも読み上げることができるらしい。
 PDFやFLASHも読み上げる。
 ネットリーダーでAJAXは現在のところ未対応とのこと。

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