【私家版】ダウンロード違法化~日本社会の構造変化について思いめぐらしたことあれこれ。

●ダウンロード違法化関係のやりとりについて、よくありそうな論調まとめてみた
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-既存 音楽業界側-
違法ダウンロード氾濫
コンテンツ売れないと業界にお金まわりません。
おれたちどうやってご飯食べろって言うのさ?
ダウンロード行為を違法化!
今まで同様ぼくたちのしいたスキームに添って
お金払ってね(はあと)
-インターネット擁護派-
インターネットの進化そのものを否定するのはナンセンス
違法アップロードとダウンロードユーザーを完全に取り締まることは不可能
そもそもCD売れないのは違法ダウンロードのせいじゃなくて
携帯代とかのせいでCDに金回さなくなっただけじゃね?
本当に気に入った音楽に、支持の表明としてお金を払うって意味で
むしろ音楽とファンの関係としてはむしろより対等で
まっとうな形態になっていくんじゃないの?
新しい著作権管理モデル・
音楽とファンの新しい付き合い方の
早急な整備を
権利者は既得権益の確保ばかりで
現実的な業界の進化のこと考えてないよね
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いやほんとざっくりまとめですが。
なんか、どっちの言い分もわかるし
どっちの言い分もわかりたくない(笑)
微妙な気分がぐっとこみあげてきます。
まあともかく、そんな感じに
コンテンツパッケージ、楽しみと対価貨幣価値、日本社会の構造とか
いろいろ、いろいろ考えてみた。

●ティーンネージャーが半減していくという現実。
CD・DVDといったコンテンツパッケージが売れない、
売れないと収益が入らない=今ある業界の構造が保てなくなってしまう、
というのが根本問題なわけです。
こんな記事もある。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1013787000
実際、CD・DVD等の売り上げ不振というのは
違法コピーの問題だけではなく
上の知恵袋にあるとおり、
携帯電話など生活インフラコストの影響、
生活、価値観の多様化など
既存のコンテンツパッケージが売れないことには
様々な理由が絡み合った
数字的な結果と見るのが妥当かと思います。
そして、購入動機からもう一歩メタな部分の変化—
ターゲットマスの変化=「人口推移」ってのはひとつのキーである模様。
ということで、総務省HPで見てみました。
年代別人口統計、人口ピラミッドです。
g0402.gif


出典:総務省・日本の統計 第2章 人口・世帯

90年代のメガヒット連発~CDの売れていた時代の若年層が
このグラフ上の「32-35歳 第2次ベビーブーム」にあたる。
この調査が平成18年調べのデータなので
この表で0歳にあたる子たちは現在2歳くらい、
つまり15、16年後あたり、ティーンネージャーの数は
CDメガヒット時代の中高生に比べてざっと半分くらいになってしまう。
確かにこんな状況見れば、そりゃ音楽に限らず
いろんな業界でサービスが各世代向けサービスを考えようとやっきになるはずです。
アラサー・アラフォー、R25・R35と
ピラミッドのうちの「一層」をピンポイントにつかむため
ジェネレーションをしぼるワードが頻用されるのも
まったく納得できます。
●40年後、「逆三角形」社会に向けて
今後、出生数が極端な増加に転じる可能性はもはやなく、
日本の人口はゆるやかな縮小を続けていくことが予測されます。
40年後くらいのところでは
ピラミッドはよくて「逆台形」
素直に考えれば「逆三角形」になっているはずです。
少ない客数に対して現在同等の利益をはじきだすためには
客単価をあげる必要があるわけで
そのあたりが「高品質/高付加価値」を念頭にした
近年のサービス企画の流行につながっているのだと思います。
答えなんかないのですが。。。
本当に当たり前なことばっか書いてしまったかとは思いますが、
気になりついでに、ちょっと考えを広げ、
自分用の整理としてまとめてた。
そして実際問題、日本社会は相当せっぱつまってきてるイメージが
頭によぎる。
それでも僕は、この今の日本で生きている、生きていくわけで。
(もちろん、日本を捨てる、ないしグローバリズムに即応した
 国に依存しない「個」として生きるって考え方もありますし
 それはある種、これからの時代においては、誰にとっても大事なことだと思いますが
 個人的な志向としては、やっぱり日本で生きていきたいのです。)
じっと眺めてても、
あまり愉快な観測はでてこないんですけど、
どうあれこのピラミッドの中に、この「現実」の中に
自分の人生のこり5、60年くらい生き抜くヒントが
なにかしら眠ってるように思えてならないのもまた事実なのです。
世代という横糸を通す、ニッチな指向性で縦糸を通す、
いろんなビジネスのカタチがこういう現実に基づいて存在しているわけで
実際、そういう試行錯誤を音楽業界しかり、映像業界しかり
いろいろやってる「実験の季節」が今なのかなと思います。
ファンとしては無料視聴できるっていうのは本当にありがたいことなのですが
(実際、ネットではじめて観たり聴いたりして、
 買ったCD・DVD・本、なんだかんだいっぱいありますし)
それが実際の製作者へのマネタイズとして反映されないがゆえに
新しい作品がつくれない~届かない状況に陥ってしまってはほんにしょうがないことで。
ニコニコ動画の試み(ニコニ・コモンズやテレビ局等の公式コンテンツ配信など)なんかには
なんだかんだ期待感持てたりもしますが
そういうのとは別の流れで
「つくる人」「楽しむ人」を有機的につなぐ仕組みってのが
なにかしらできないものかなぁ?と
ネットのごくごく隅っこでではありますが
ぼんやり思いをはせてたりします。

hidari

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